2023-06-18から1日間の記事一覧

202306 書いたもの

悴む手また空に翳して戻らない日のことも覚えておける 午後からの高気圧あてにして家を出る水たまり少しきらきら 久々のブランケットに負けた君ぐずついた顔もっと笑って 乳酸菌飲料を飲む鼻水が直ちに止まるこれが信仰 ネイルもサロンも出てこなかった僕「…

借り物だったとしても-4

陽だまりだった場所で水色の花抱えて眩んだ視界の隅っこまで見渡す君の目は 書き割りの向こうから手を伸ばしてうずくまるぼくを救い出して戻らない日々のことも全部誰かのシナリオの通りでも 造花の色塗り直す日々そこかしこに君がいたんだまた不安にならな…

借り物だったとしても-3

爪先からわずかに滲み出したスニーカー街灯の灯りが確かに揺らいでいた夜に 君を連れていく!君を連れていく。靴紐が解けるまで歩いていようよ 外はまだ飛べない僕ら移ろう雨の中いくつものレンズ通して薄まった信号機 バケツの底が抜けたみたいに晴れやかな…

借り物だったとしても-2

並木の向こう側に僕には触れることのない手が見えたあ〜 いい夢に、いい夢になりたい誰かのいい夢になりたい花束をあげよう 傾いだ首元の先にいつかは途絶える僕らの息遣いを見たまあ、いいことも、いいことも無いし最後にはいい気分でいたい花束をあげよう …